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「週20時間も働けない」あなたへ。“超短時間雇用”という新しい働き方が、日本で本格的に広がっている理由

投稿日: 2026.08.27

「フルタイムは無理。でも、働きたい」その気持ちは、わがままじゃない

就職活動の現場にいると、こんな声をよく聞きます。

  • 「週5日フルタイムなんて、今の自分には想像もできない」
  • 「短時間パートを探しても、週20時間以上が条件で見つからない」
  • 「“ちゃんと働けない自分”はダメなんじゃないか、と思ってしまう」

もし今、こうした悩みを抱えているなら知ってほしい制度があります。それが「超短時間雇用」です。

単なる理想論ではなく、東京大学の研究チームが10年近くかけて実証し、国の制度そのものを動かした「エビデンスのある働き方」です。

超短時間雇用とは?──「週1時間から」働ける雇用モデル

超短時間雇用は、東京大学先端科学技術研究センター(先端研)の近藤武夫教授の研究室が中心となって開発した雇用モデルです。対象となるのは、精神障害・発達障害・難病・生活困窮・ひきこもりなど、何らかの事情でフルタイムはもちろん、週20時間以上の勤務も難しい人たち。こうした人たちが、最短で1日15分・週1時間からでも、通常の企業の中で「役割を持って」働けるようにする仕組みです。

ポイントは、「働けない人」を「支援する対象」として囲い込むのではなく、企業の中に本当にある業務を切り出し、対等な労働者としてマッチングするという発想にあります。すでに神奈川県川崎市、兵庫県神戸市、東京都渋谷区・港区、岐阜市、いわき市など、複数の自治体で地域制度として実装され、就労移行支援の現場とも連携しながら運用されています。

「絵に描いた餅」ではない。制度そのものが動いた2024年の転換点

超短時間雇用が机上の理論で終わらなかった最大の理由は、これが2024年4月の法改正に実際に反映されたことです。

これまで障害者雇用率の算定対象は「週20時間以上働く人」に限られていました。週20時間未満で働く人は、どれだけ真面目に働いていても、企業の雇用率には一切カウントされなかったのです。これでは企業側に、短時間雇用を用意するインセンティブが生まれません。

しかし2022年の障害者雇用促進法改正を経て、2024年4月1日から、精神障害者・重度身体障害者・重度知的障害者については、週10時間以上20時間未満の勤務でも「0.5人」として実雇用率に算定できるようになりました。それまで支給されていた特例給付金は廃止され、代わりに正式な算定制度に組み込まれた形です。

この制度変更が生まれた背景には、川崎市・神戸市などで蓄積された超短時間雇用の社会実験と、その定着率の高さという実績データがありました。つまり「現場で機能することが確認された働き方」が、後追いで法制度に反映されたという、珍しい順序をたどっているのです。

さらに2026年7月には法定雇用率が2.7%へと引き上げられ、対象企業の範囲は従業員37.5人以上にまで拡大します。企業側にとっても、短時間・特定業務での雇用を検討する動機は、今後さらに強くなっていく流れにあります。

なぜ「週10〜20時間」が現実的な選択肢になり得るのか

超短時間雇用モデルの提唱者である近藤教授は、「雇用というのは本来、労働時間の長さとは関係ないはずだ」と指摘しています。週40時間・年間を通じて働き続けるという日本の標準的な雇用モデルは、暗黙のうちに「健康な成人男性」を前提にしたものであり、それに当てはまらない人を結果的に労働市場から締め出してきた、という考え方です。

これは、体調に波がある方、通院や服薬管理と両立しながら働きたい方、長時間の対人緊張が負担になりやすい方にとって、非常に現実的な視点です。「フルタイムで働けないなら諦めるしかない」のではなく、その人の状態に合わせて業務と時間を設計するという発想の転換が、制度として後押しされ始めています。

就労移行支援との関わり方

就労移行支援を利用する中で、「まずは週10〜20時間程度の短時間勤務から実績を積みたい」というのは、決して珍しい希望ではありません。むしろ、いきなりフルタイムを目指すよりも、

  • 短時間勤務で就労リズムと自信を積み上げる
  • 精神障害者雇用の算定特例(週10〜20時間、0.5人カウント)を使える求人を探す
  • 業務内容を絞った「切り出し求人」を、支援員と一緒に探す

というステップの方が、結果的に長く安定して働き続けられるケースは多く見られます。「フルタイムで働けない自分はダメだ」ではなく、「今の自分に合った時間から始めて、実績を積んでいく」という選択肢があることを、まず知っておいてほしいと思います。

まとめ

  • 超短時間雇用は、東京大学先端研が開発し、複数の自治体で実装されている実証済みの雇用モデル
  • 2024年4月の法改正により、週10時間以上20時間未満の精神障害者等の雇用が、正式に企業の雇用率算定に組み込まれた
  • 2026年7月の法定雇用率引き上げにより、短時間雇用を検討する企業は今後さらに増える見込み
  • 「フルタイムは無理」という状態は、働くことを諦める理由にはならない

「週20時間も働けない」と感じている方も、一人で抱え込まず、まずは今の自分に合った働き方について、ランプ浜松で相談してみませんか(^^)

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