Wordで印刷するとコメントが表示されてしまう原因とは?
「Wordで文書を印刷したら、コメントや吹き出しが一緒に印刷されてしまった…」という経験はありませんか?ビジネス文書や提出書類でコメントが印刷されてしまうと、見栄えが悪いだけでなく、社内情報の漏洩リスクにもつながります。
この記事では、Wordの印刷時にコメントを非表示にする方法をバージョン別に詳しく解説します。変更履歴の非表示設定やPDF保存時の注意点まで、実務で役立つテクニックを網羅的にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
まず、印刷時にコメントが表示されてしまう原因を正しく理解しましょう。Wordには「変更履歴とコメントの表示」という機能があります。この機能がオンになっていると、画面上だけでなく印刷時にもコメントが出力されてしまいます。
具体的には、以下の2つの設定が関係しています。
- 校閲タブの「変更履歴の表示」設定:マークアップの表示方法を制御します
- 印刷設定の「変更履歴/コメントの印刷」オプション:印刷時にマークアップを含めるかどうかを指定します
つまり、画面上でコメントを非表示にしても、印刷設定が変更されていなければコメントが印刷される場合があるのです。逆に、画面上ではコメントが表示されていても、印刷設定で除外すれば紙にはコメントが出ません。この2つの設定を正しく理解することが、トラブル解決の第一歩です。
【最速】印刷時にコメントを非表示にする3つの方法
Wordで印刷時にコメントを非表示にする方法は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を理解して、場面に応じた最適な方法を選びましょう。
方法1:印刷設定から「変更履歴/コメントの印刷」をオフにする
最もシンプルで確実な方法です。コメント自体は文書に残したまま、印刷だけ非表示にできます。
- 「ファイル」タブをクリックします
- 「印刷」を選択します
- 「設定」セクションの中にある「すべてのページを印刷」をクリックします
- ドロップダウンメニューの下部にある「変更履歴/コメントの印刷」のチェックを外します
- 印刷プレビューでコメントが消えたことを確認してから印刷を実行します
この方法のメリットは、コメントデータを一切削除せずに済む点です。校閲中の文書で「一時的にコメントなしで印刷したい」という場面に最適です。所要時間はわずか10秒ほどです。
方法2:校閲タブの表示設定を変更する
画面上と印刷の両方でコメントを非表示にしたい場合は、校閲タブから設定を変更します。
- 「校閲」タブをクリックします
- 「変更履歴」グループにある「変更内容の表示」のドロップダウンを開きます
- 「変更履歴/コメントなし」を選択します
この設定にすると、画面上からもコメントの吹き出しが消え、印刷プレビューにも反映されません。ただし、コメントデータ自体は文書内に残っている点に注意してください。
方法3:コメントを完全に削除してから印刷する
最終版の文書で、もうコメントが不要な場合は、すべてのコメントを一括削除する方法もあります。
- 「校閲」タブをクリックします
- 「コメント」グループにある「削除」ボタンの横の下向き矢印をクリックします
- 「ドキュメント内のすべてのコメントを削除」を選択します
この方法は元に戻せない操作なので、必要に応じて削除前に文書のバックアップを取っておくことをおすすめします。特に、複数人で校閲している文書では、他のメンバーのコメントも消えてしまうため慎重に判断しましょう。
【バージョン別】Word 2016・2019・2021・365での操作手順
Wordのバージョンによって、メニューの名称や配置が若干異なります。ここでは主要なバージョンごとの操作手順を確認しましょう。
Word 2016の場合
Word 2016では、校閲タブの「変更履歴」グループ内に設定があります。
- 校閲タブ → 「変更履歴」グループ → 「変更内容の表示」で「変更履歴/コメントなし」を選択
- または、ファイル → 印刷 → 「すべてのページを印刷」→「変更履歴/コメントの印刷」のチェックを外す
Word 2016は2025年10月にサポートが終了予定です。セキュリティの観点からも、新しいバージョンへのアップグレードを検討してみてください。
Word 2019の場合
Word 2019の操作手順は基本的にWord 2016と同じです。インターフェースのデザインが若干変更されていますが、メニュー名は同一です。
- 校閲タブ → 「変更履歴」グループの操作は2016と同様
- 印刷設定からのコメント非表示手順も同一です
Word 2021の場合
Word 2021では、校閲タブのリボンデザインが刷新されました。ただし、コメント関連の操作手順は変わりません。
- 校閲タブ →「変更履歴」ドロップダウンで表示方法を変更
- 「シンプルな変更履歴/コメント」を選ぶと、コメントは行内のマーカーのみ表示されます
- 「変更履歴/コメントなし」を選ぶと、完全に非表示になります
Microsoft 365(旧Office 365)の場合
Microsoft 365は常に最新版に更新されるサブスクリプション型です。2024年以降のアップデートで、校閲タブのデザインがさらに変更されています。
- 校閲タブ → 「変更履歴」グループの「すべての変更履歴/コメント」ドロップダウン
- 「変更履歴/コメントなし」を選択
- 365では「コメントの表示」と「変更履歴の表示」が個別に制御できるようになりました
365ユーザーの場合、「コメント」パネルの右上にある設定アイコンからも表示・非表示を切り替えられます。これは他のバージョンにはない便利な機能です。
Word for Mac の場合
Mac版Wordでも基本的な操作は同様ですが、メニュー配置が異なります。
- 校閲タブ → 「変更履歴の表示」ドロップダウンで「最終版」を選択
- または、ファイル → プリント →「Microsoft Word」の設定で「変更履歴/コメントの印刷」をオフにする
Mac版ではショートカットキーの割り当ても異なりますので、後述のショートカット一覧も参考にしてください。
変更履歴もまとめて非表示にする方法
コメントだけでなく、変更履歴(赤字の修正箇所)も印刷時に表示されてしまう場合があります。コメントと変更履歴はセットで管理されることが多いため、両方の非表示設定を確認しておきましょう。
変更履歴の表示モードを理解する
Wordには4つの表示モードがあります。
| 表示モード | コメント | 変更履歴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| すべての変更履歴/コメント | 表示 | 表示 | 校閲中の確認 |
| シンプルな変更履歴/コメント | マーカーのみ | 赤線のみ | 概要把握 |
| 変更履歴/コメントなし | 非表示 | 非表示 | 最終イメージの確認 |
| 初版 | 非表示 | 非表示 | 元の文書の確認 |
印刷時にコメントも変更履歴も表示したくない場合は「変更履歴/コメントなし」を選択してください。これで最終版のクリーンな文書が印刷されます。
変更履歴を反映してからコメントを削除する手順
最終版として保存する前に、変更履歴をすべて承認(反映)し、コメントを削除する手順も覚えておきましょう。
- 校閲タブ → 「変更箇所」グループの「承諾」ボタンの下向き矢印をクリック
- 「すべての変更を反映」を選択
- 続いて、「コメント」グループの「削除」→「ドキュメント内のすべてのコメントを削除」を実行
- ファイル → 「名前を付けて保存」で最終版として保存
この手順を行うことで、文書内に校閲情報が一切残らない「クリーンな最終版」を作成できます。取引先やクライアントに提出する文書では、この方法が最も安全です。
PDF保存時にコメントを含めない方法
近年は紙に印刷するよりも、PDF形式で文書を共有するケースが増えています。しかし、WordからPDFに保存する際にもコメントが含まれてしまう場合があります。ここではPDF保存時の注意点を解説します。
Word標準のPDF保存機能を使う場合
- ファイル → 「名前を付けて保存」を選択
- ファイル形式で「PDF」を選択
- 「オプション」ボタンをクリック
- 「発行対象」の中にある「変更履歴/コメントの表示中のドキュメント」のチェックを外す、または「ドキュメント」を選択
- 「OK」→「保存」を実行
この設定を行わずにPDF保存すると、画面上の表示がそのままPDFに反映されます。つまり、コメントが表示された状態でPDFが生成されてしまうのです。
「エクスポート」機能を使う場合
Word 2016以降では「エクスポート」機能からもPDFを作成できます。
- ファイル → 「エクスポート」を選択
- 「PDF/XPSの作成」をクリック
- 表示されるダイアログで「オプション」をクリック
- 「変更履歴/コメント付きのドキュメント」のチェックが外れていることを確認
- 「発行」を実行
PDF保存前の確認チェックリスト
PDF化する前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 校閲タブで「変更履歴/コメントなし」モードにしているか
- PDF保存オプションで変更履歴/コメントの出力をオフにしているか
- 保存後のPDFファイルを開いてコメントが含まれていないか実際に確認したか
- 文書のプロパティ(作成者名等)に不要な個人情報が含まれていないか
特に4つ目のポイントは見落としがちです。Wordの「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「ドキュメント検査」を実行すると、隠れたコメントや個人情報を一括でチェックできます。
うまくいかないときのトラブルシューティング
設定を変更してもコメントが印刷されてしまう場合は、以下のポイントを確認してください。
トラブル1:設定を変えたのにコメントが印刷される
この問題は、印刷設定と校閲タブの設定が競合している場合に起こります。
- 校閲タブの「変更内容の表示」が「すべての変更履歴/コメント」になっていないか確認します
- 印刷設定の「変更履歴/コメントの印刷」のチェックが確実に外れているか再度確認します
- 一度Wordを完全に閉じてから再度開き、設定が保持されているか確認します
Wordでは、印刷設定がセッションごとにリセットされる場合があります。毎回印刷のたびに設定を確認する習慣をつけましょう。
トラブル2:コメントの吹き出しだけが残る
コメントの文字は消えたのに、吹き出しの枠線や接続線だけが残るケースがあります。
- 校閲タブ → 「変更履歴」グループ →「変更履歴のオプション」(または「詳細オプション」)をクリック
- 「吹き出し」セクションで「変更履歴の吹き出しの幅」を「0cm」に設定
- または「吹き出しの使用」を「なし」に変更
トラブル3:特定のコメントだけ削除できない
文書の保護が有効になっている場合、コメントの編集や削除ができないことがあります。
- 校閲タブ →「編集の制限」をクリック
- 「保護の中止」ボタンを押してパスワードを入力
- 保護が解除されたら、コメントを削除できるようになります
また、共同編集中のOneDrive上の文書では、他のユーザーが作成したコメントは作成者本人しか削除できない場合があります。この場合は、作成者に削除を依頼するか、文書をローカルにコピーしてから操作してください。
トラブル4:印刷プレビューと実際の印刷結果が異なる
まれに、印刷プレビューではコメントが消えているのに、実際に印刷するとコメントが出力されるケースがあります。
- プリンタードライバーを最新版に更新してみてください
- 「Microsoft Print to PDF」でPDF出力し、PDFを印刷する間接的な方法を試してください
- Wordをセーフモードで起動(Ctrlキーを押しながらWordを起動)して印刷を試してください
コメント管理を効率化する便利テクニック
ここからは、印刷時の非表示設定に加えて、日常的なコメント管理に役立つテクニックをご紹介します。
ショートカットキーで素早く操作する
コメント関連の操作は、ショートカットキーを覚えると大幅に効率化できます。
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 新しいコメントの挿入 | Ctrl + Alt + M | Command + Option + A |
| 次のコメントへ移動 | Alt → R → N(順に押す) | 校閲タブから操作 |
| 前のコメントへ移動 | Alt → R → V(順に押す) | 校閲タブから操作 |
| 印刷ダイアログを開く | Ctrl + P | Command + P |
特にCtrl + P で印刷画面を開き、すぐに設定を確認する習慣を身につけると、コメント付き印刷のミスを防げます。
ドキュメント検査で隠れたコメントをチェックする
文書を外部に送付する前に、隠れたコメントや個人情報をチェックする機能を活用しましょう。
- ファイル → 「情報」を選択
- 「問題のチェック」→「ドキュメント検査」をクリック
- 「コメント、変更履歴、バージョン」にチェックを入れて「検査」を実行
- 検出された項目があれば「すべて削除」をクリック
この機能は、コメントだけでなく、非表示のテキスト、ヘッダー・フッター内の個人情報、カスタムXMLデータなども検出してくれます。機密文書を送付する前には必ず実行することをおすすめします。
マクロで一括処理を自動化する
大量の文書を処理する場合は、VBAマクロを活用することで作業を自動化できます。以下は、すべてのコメントを削除するシンプルなマクロの例です。
Sub DeleteAllComments()
Dim cmnt As Comment
For Each cmnt In ActiveDocument.Comments
cmnt.Delete
Next cmnt
End Sub
このマクロを実行すると、開いている文書内のすべてのコメントが瞬時に削除されます。Alt + F11 でVBAエディタを開き、上記のコードを貼り付けて実行してください。ただし、実行前に必ずバックアップを取ることをおすすめします。
コメントをExcelに書き出して管理する
校閲コメントが大量にある場合、コメントの一覧をExcelに書き出して管理すると便利です。VBAを使えば、コメントの内容・作成者・日時を自動抽出できます。プロジェクト管理やレビュー履歴の記録に活用してみてください。
まとめ:Word印刷時のコメント非表示は設定ひとつで解決
この記事では、Word印刷時にコメントを非表示にする方法を詳しく解説しました。最後に重要なポイントをまとめます。
- 最速の方法は、印刷設定の「変更履歴/コメントの印刷」のチェックを外すことです
- 校閲タブの表示モードを「変更履歴/コメントなし」にすると、画面上と印刷の両方で非表示になります
- 最終版の文書では、変更履歴の承認とコメントの一括削除を行いましょう
- PDF保存時は、保存オプションでコメントの出力をオフにすることを忘れずに
- 外部送付前には「ドキュメント検査」で隠れた情報をチェックしましょう
- 設定が反映されない場合は、印刷設定と校閲タブの両方を確認してください
- トラブルが解決しない場合は、Wordの再起動やセーフモードでの起動を試しましょう
適切な設定を覚えておけば、コメント付きのWordファイルも安心して印刷・共有できます。ぜひ今日から活用してみてください。
よくある質問(FAQ)
Wordで印刷時にコメントを非表示にする最も簡単な方法は?
最も簡単な方法は、ファイル→印刷→「すべてのページを印刷」をクリックし、「変更履歴/コメントの印刷」のチェックを外すことです。この操作で、コメントデータを削除せずに印刷時だけ非表示にできます。
コメントを非表示にしても印刷されてしまう場合はどうすればいい?
校閲タブの「変更内容の表示」設定と、印刷設定の「変更履歴/コメントの印刷」の両方を確認してください。両方の設定がコメント非表示になっていないと、片方の設定が優先されてコメントが印刷される場合があります。それでも解決しない場合は、Wordを再起動してから再度お試しください。
WordからPDF保存するときにコメントを含めない方法は?
ファイル→名前を付けて保存でPDF形式を選択し、「オプション」ボタンをクリックします。発行対象で「ドキュメント」を選択し、「変更履歴/コメントの表示中のドキュメント」のチェックを外してから保存してください。保存後のPDFを必ず開いて確認することをおすすめします。
Wordのすべてのコメントを一括で削除する方法は?
校閲タブの「コメント」グループにある「削除」ボタンの横の下向き矢印をクリックし、「ドキュメント内のすべてのコメントを削除」を選択します。この操作は元に戻せないため、削除前に文書のバックアップを取ることをおすすめします。
コメントだけでなく変更履歴も印刷時に非表示にしたい場合は?
校閲タブの「変更内容の表示」ドロップダウンで「変更履歴/コメントなし」を選択してください。この設定にすると、コメントと変更履歴の両方が画面上・印刷時ともに非表示になります。最終版として保存する場合は、変更履歴を「すべて承認」してからコメントを削除するとクリーンな文書になります。
Mac版Wordでもコメントを非表示にして印刷できますか?
はい、Mac版Wordでも同様の操作が可能です。校閲タブの「変更履歴の表示」ドロップダウンで「最終版」を選択するか、ファイル→プリント画面の「Microsoft Word」設定で「変更履歴/コメントの印刷」をオフにしてください。
他の人が作成したコメントを削除できない場合の対処法は?
文書に編集の制限がかかっている場合は、校閲タブの「編集の制限」から保護を解除してください。また、OneDriveでの共同編集中は、他のユーザーのコメントは作成者本人しか削除できない場合があります。その場合は、作成者に削除を依頼するか、文書をローカルにコピーしてから操作してください。

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